対数チャートとは?FX初心者が利用するメリット・デメリット!

対数チャートとは、ログスケール機能を使用したチャートのことで、通常のチャートとは異なる分析をしたい時に役立ちます。

今回はそんな対数チャートについて、その特徴や使用するメリットの有無、トレードでの使用例、デメリット、その他のおさえておきたいポイントなどを解説します。

対数チャートの使い方を習得することで、より多角的な分析ができるようになるでしょう。

注意
本記事で登場するチャートの図はあくまでもイメージです。

相場全体の流れにより分析・ラインは変わってくるのである程度の経験が必要になる、ということを念頭に置き本記事を確認ください。

対数チャート(ログスケール)とは?

対数チャートとは、対数目盛を使用したチャートのことです。

ログスケールとも呼ばれています。

一般的なチャートと違って対数チャートの場合、その時の変動率に応じて目盛りの間隔が自動で調整されます。

例えば1ドル80円から100円まで上がるのと、1ドル100円から120円まで上がるのでは、同じ20円の値動きでも比率が違います。

80円から100円まで上がったということは、値動きの比率は1.25倍です。対して100円から120円までの値動きの場合、その比率は1.2倍です。

以上のように、同じ値動きでも、その時のレートによって変動率に違いが生じます。

対数チャートでは、この変動率に合わせてチャートの目盛りが調整されるので、変動率に応じたチャートとなります。

MEMO
対数チャートとは、その時々の変動率に応じて調整されているチャートのこと

一般のチャートと対数チャートの違い

一般のチャートを使用した場合と、対数チャートを使用した場合では、目盛りに違いが生じます。

まずこちらは一般のチャートです。右端の目盛りに注目しましょう。

一般のチャートの場合、特に調整はされていないので、目盛りは等間隔で並んでいます。

次にログスケールされている対数チャートの場合。

直近の値動きに近づくほど、目盛りが細かくなり、ログスケールされていることが見て取れます。

その時のレートに応じてメモリが調整されることで、過去のボラティリティなどを精確に把握できるようになるでしょう。

対数チャートを使用するメリットはあるのか?

対数チャートを使用すると、確かにその都度の値動きに合わせたチャートをチェックすることができます。経済の勉強をしたいという方からすると、これは役に立つチャートです。

ではFXのトレードで役に立つかというと、正直わからないです。

よく対数チャートを使用するとトレンドラインが引きやすくなるという声を聴きますが、実際に対数チャートと一般チャートを見比べても、トレンドラインの引き具合に影響を与えられるほどの違いはほとんどないです。

例えば以下に2つのチャート。一般チャートと対数チャートを用意しました。それぞれを見比べてみましょう。

果たしてどちらが対数チャートで、どちらが一般チャートなのか、区別できるでしょうか?

見たところ、どちらのチャートもほとんど同じ動きをしているので、パッと見ただけでは区別できないです。

正解は、上の画像が対数チャートで、下の画像が一般チャートです。

対数チャートを使用したところで、一般チャートと比べてローソク足の動きにほとんど変化はありません。

テクニカル分析の醍醐味はチャートから将来の値動きを予測することです。しかし、対数チャートと一般チャートでは、ほとんど違いがありませんので、対数チャートを使ってもテクニカル分析の世界ではあまり効果がなく、メリットがないです。

対数チャートを使おうが、一般のチャートを使おうが、テクニカル分析の結果に与える影響はほとんどないでしょう。

注意
一般チャートと対数チャートとの間に違いはほとんどない

テクニカル分析で役に立たない理由

対数チャートが役に立つことがあるとすれば、それは極端にレートが動くような場面です。

例えば、1日で1ドル100円が200円まで上がる、もしくは1ドル100円から一気に50円以下まで円高になるような、それこそ極端にレートが変動する相場であれば、対数チャートは役に立つことでしょう。

しかし、現実問題として、為替市場においてそのような極端な値動きをすることはまずあり得ません。

為替市場は、どれほど大きく動いても、数円が限界です。ボラティリティが激しいことで有名なポンドですら、1日50pipsも動けば良い方です。

そもそも為替市場というのは滅多に動かない相場です。

2017年に大きく価格が変動したビットコインぐらいの極端なボラティリティでもあれば対数チャートは効果を発揮するかもしれませんが、普段よりレートの変動が少ない為替市場でトレードをしている限り、対数チャートを使用するメリットはまずないでしょう。

対数チャートを使ったトレードの使用例

ここでは実際に対数チャートを使ったトレードの使用例を解説します。今回はトレンドの流れに乗る順張りの手法と、逆張りの手法をそれぞれ紹介します。

  1. 順張り【初心者向け】
  2. 逆張り【上級者向け】

以下よりそれぞれの手法を詳しく解説します。

1.順張りの手法【初心者向け】

まずはトレンドの流れに乗って売買をする順張りの手法を解説します。

順張りは、勝率が高く、初心者向けの手法です。

今回は対数チャートを使用しますが、対数チャートだからといってそれ固有の特別な手法を使用するということは基本的にありません。

対数チャートで使える手法は、一般チャートでも使用できます。

そこで今回は、スタンダードな指標である移動平均線を使用して順張りの手法を実践します。順張りですので、上昇トレンドではロング(買)、下降トレンドでは(売)をそれぞれ入れます。

利確のポイントは、一定の含み益が出たらその都度判断して決済をするという前提で話を進めます。

まず以下のチャートより、移動平均線の長期線と中期線、短期線を描きます。ログスケールはオンになっているので、対数チャートになっています。

移動平均線を見ると、短期線と中期線が長期線の上にあるので、上昇相場であることがわかります。

今回は順張りの手法なので、エントリーのタイミングが来たらロングを入れます。

しばらく待っていると、上昇相場中に短期線が中期線を下から上にクロスしたので、ここをエントリーのポイントとします。

ちょうど111.40円でサインが出ているので、ここでエントリーできたと仮定します。

その後、順調にレートが上がり、112.00円を突破しました。キリが良いので、ここで決済できたとします。

すると、111.40円でエントリー、112.00円で決済ができたので、60pipsもの利益を得られた計算になります。

移動平均線でここまでしっかり利益が獲れるだけの実力があるなら、いざFXを始めた際にはがっつり稼ぐことができるでしょう。

2.逆張りの手法【上級者向け】

次に移動平均線を使った逆張りの手法を、対数チャートで実践してみます。

逆張りとなりますので、今回はトレンド相場中に長期線をローソク足がクロスしたらトレンドとは反対方向にエントリー。一定の含み益が出たら利確をするという前提で話を進めます。

逆張りは騙しが多く、勝率が低いので、上級者向けです。初心者の方の場合、勝率の高い順張りから始めた方が良いでしょう。

まず以下のチャートより、移動平均線を引きます。ログスケール機能がオンになっているので、既に対面チャートとなっています。

移動平均線を見ると、長期線よりも短期線、中期線、両線が上にあるので上昇相場であることがわかります。

今回は逆張りの手法なので、ショートを入れるタイミングを待つことになります。すると、ローソク足が落ち、長期線を突破しました。ここでショートを入れます。

ちょうど111.40円付近でサインが出ているので、ここでエントリーできたと仮定します。

その後、順調にレートは落ち、111.00円を割りました。キリが良いので、ここで決済したとします。

すると、111.40円でエントリー、111.00円で決済ができたので、40pipsもの利益を得られた計算になります。

逆張りはどこで決済をするのかの見極めが難しいです。

トレードをする際にはどこまで利益が出たら決済をするのか、利確のルールを決めておきましょう。

対数チャートのデメリット

ここでは対数チャートのデメリットを紹介します。

  1. 使うメリットがない
  2. 対数チャートが使えるチャートツールがほとんどない

以下より詳しく解説します。

1.使うメリットがない

上記の手法を紹介した章では、対数チャートで移動平均線を使ったトレードの手法を解説しましたが、では対数チャートを使用することで何かしらのメリットはあったのかというと、実のところ全くないです。

仮に一般チャートを使用したとしても、同じ結果になったでしょう。

移動平均線に限らず、どのテクニカル指標を使用したところで、対数チャートを使用するメリットは基本的に無いでしょう。

もちろん、中には対数チャートを使った方がしっくりくるというトレーダーもいることでしょう。

しかし、それはあくまで感覚的な問題であり、主観的なメリットでしかありません。

対数チャートを使った方がトレードが有利になるという客観的なデータや資料、証拠などはなく、一般チャートを使ったところで大差はないです。

対数チャートの方が勝率の高いトレードができるなど、確固たる理由があるのであれば対数チャートを使っても特に問題はないでしょう。

しかし、特にメリットがなく、使ったところでトレードの勝率に貢献しないようであれば、無理して対数チャートを使う必要はありません。

2.対数チャートが使えるチャートツールがほとんどない

対数チャートはもともと使用するメリットがなく、トレードで活かせないというデメリットに加えて、そもそも対数チャートを使用できるチャートツールがほとんどないというデメリットがあります。

対数チャートが使用できるチャートツールというと、それこそMT4ぐらいでしょう。

国内のほとんどのFX会社がチャートツールに対数チャートの機能を設けていませんので、使いたくても使える環境がほとんどないというのが実情です。

あくまでテクニカル分析を学ぶ一環として対数チャートを勉強する分には問題ないのですが、いざトレードの実践となると、対数チャートを利用できる環境がほとんどなく、使う機会はまずないでしょう。

FX初心者へのアドバイス

今回は対数チャートについて解説しました。

対数チャートは、FXの世界では、それほど重要度の高いツールではないです。使っても良いですし、使わなくても良いです。

実際に使ってみた結果、上手くいったというのであればそのまま使えば良いですし、特にメリットがないと感じたら使わなくても良いです。

ツールを使用するか否かは、結局のところ、相性が一番重要です。

チャートツールを使用する際には、実際に試してみて、使い心地を検証しましょう。検証せず、いきなりぶっつけ本番で使うと、高確率で失敗しやすいです。

しかし検証を重ね、相性の良いチャートツールを使用すると、無駄な失敗を避け、勝率の高いトレードができるようになります。